不登校カウンセリングセンター
真鍋良得です
厚生労働省の発表によると令和2年中に自殺した子供の数は過去最多の479人にのぼっています。
将来のある命がそのような形で消えていくことにいたたまれない気持ちになります。
子供が「死にたい」と言った時、あなたはどのような言葉をかけてあげますか。
「死にたいなんて言わないで」「あなたが死んだらお母さんは生きていけない」「頑張ればきっといいことあるから」、そんな風に答えてはいないでしょうか。
そんな風に言われた子供は、「死にたいと思うことはいけない事なんだ」「もう頑張れないのにどうすればいいんだ」と感じ、さらに苦しくなります。
子供に「死にたい」と言われたら親も動揺して、その気持ちを否定したくなりますが、子供の気持ちを理解してあげることが大切です。
「そうなんだ、死にたいと思うほどつらいんだね」と子供の気持ちに共感してあげましょう。
「死にたい」と思う子供は、自分の存在価値を認められなくなっています。
不登校の子供が「死にたい」「自分の存在が消えてなくなればいいのに」といった言葉を口にすることがあります。
そういった子供たちの多くは、死ぬのは怖いけれど、「自分はクズ」「自分は役に立たない」、だから自分の存在はいらないと思っています。
子供たちが自分の存在に自信を持って生きていけるようになるには大人たちのサポートが必要です。
生まれたばかりの赤ちゃんが何もできなくてもただそこにいるだけで愛されるように、すべての人には無条件に存在価値があります。
親が子供に共感することで、その無条件の存在価値を子供は感じることができるようになります。
子供が不登校になったり、親に「死にたい」と訴えるのは、親を信じる気持ちがあり、親を頼りになる存在と感じているからです。
ものすごくつらいのに親に何も言わず平気なふりして学校に行っていても、ある時耐えきれなくなり最悪の選択をする子供もいます。
学校に行かないという選択をし、それを親が見守ってあげられているということは、子供が自分を大切にし親も子供を大切にしていると証でもあります。
子供が親の愛情をしっかりと受け取っているから、学校に行かないという選択をすることもできるのです。
「死にたい」というのは、親にしてみれば言ってほしくない言葉です。
けれども、その言葉を否定しようとはしないでほしいと思います。
そうやって苦しい気持ちを子供が打ち明けてくれた時に子供の気持ちを理解し、共感することができれば、子供は自信を取り戻すことができます。