こんにちは。不登校カウンセリングセンターの阿部由香里です。
人間の心理で、やった方がよいとわかっていても、なかなか動けないことって、ありますよね。
例えば、夏休みの宿題。早く終わらせた方がいいとわかっていても、なかなか手を付けません。
見ている方はイライラして、相手の行動を促したいがために、つい強い口調で言ってしまったり、強制的な言葉を使ってしまうことがありますよね。
しかし、それでは逆効果です。相手は反発して、素直に聞いてくれません。行動心理学でもそれははっきりと証明されています。
不登校のお子さんを持つ親御さんも、お子さんとの接し方には難しさを感じていませんか。
感情はまるで、巨大なゾウと同じようなもの
心理学の研究者が、人の感情をゾウに例えることがあります。
感情というのは、巨大で、力も強く、暴れだすと手に負えない。でも、優しい面もある。
そんなゾウのような感情は、理性よりも圧倒的に強く、怒らせると理性を一瞬で吹っ飛ばしてしまうことがあります。それでは、どうしたらいいのでしょうか。
あなたは、ナッジ理論という言葉を聞いたことがありますか?
ナッジ(nadge)とは、「軽く相手の肘をつつく」という意味です。
「相手の肘を、優しく後押しすること」で、感情というゾウが自分から動いてくれるのです。
後押しすることのポイントは3つあります。
1.相手が疲れているタイミングは選ばない。
2.相手が選ぶ選択肢を、奪わない。
3.最初と最後の言葉をポジティブにする。
この3つに気を付けて、笑顔で後押しをします。
この接し方は、人の心理をうまく使った理論で、言いたいことが相手に伝わりやすくなります。
お子さんが眠くて機嫌の悪いときは避けて
言いたいことがあっても、いきなり本題に入らず、まずは相手がなごむ話題で話しかける。
そして、こうしてみるといいんじゃないかな。と強制することなく、提案する。
最後に、心配でたまらない私たちのためにも、考えてみてくれないかな。と柔らかく締めくくります。
相手のゾウに思いやりの気持ちが伝わると、小さな後押しで動いてくれるのかもしれません。
これからも、あなたの親子関係を応援しています。