こんにちは。不登校カウンセリングセンターの水野幸子です。
今日のテーマは「比較」です。
比較とは、二つ以上のものを見比べて、似ているところ、違っているところを出していくことです。
不登校のお子さんに多い比較の癖は、自分はダメだと否定していまうこと。
ならば、自分の方ができると、自信につながる比較に変えればいいんだと思うかもしれません。
自信につながるように感じても、比較をしている段階で、自信にはつながりません。
比較をしているということは、比較した対象によって、上にもなるし下にもなります。
比較する事柄もたくさんあります。
お子さんが、自分のほうが上という比較をし続けているとしましょう。
あるとき、お子さん自身にとっては、ありえない失敗をしたとします。
その失敗が、よくあることだと友達も、先生も、親御さんも本心で思っているにもかかわらず、お子さんは、自分はダメだなんだと思います。
自分が常に比較をしていることで、周りも同じように比較をしていると思っています。
自分の失敗は、周りの人からもバカにされているのではないか。
自分は下だと思われているのではないか。と不安になっていきます。
そして、やっぱり自分はダメなんだ、となっていくのです。
比較をするたびに、自分はダメだ。と思っていれば、それは思った通りにダメになっていきます。
自分で自分を追い詰めて、心を傷つけてしまうのです。
それが、お子さん自身の力で修復できずにいることで、不登校の原因、きっかけの一つになっていくのです。
ただ、社会の中で、比較をしないで生活していくことができるでしょうか。
学校生活では、成績という評価をされます。テストの点数で順位が決まります。
スポーツは勝負をすることで順位を決めます。
気が付けば、周りには比較をする材料がたくさんあります。
不登校のお子さんから、比較する材料を消すことはできません。
ですが、比較をする必要がないことを伝えることができます。
それは、不登校のお子さんへの親御さんの愛です。
学校に行けていなくても。
成績が悪くても。
スポーツが苦手でも。
楽譜が読めなくても。
お手伝いをしなくても。
ゲームばかりしていも。
マンガばかり読んでいても。
親御さんの言うことをまったく聞かなくても。
今、生きていること、親御さんの目の前にいてくれること、それで十分なんだよと伝えてあげてください。
生まれてきてくれてありがとう、と。
どんな自分でも、自分は親御さんに愛されている、認めてもらえているという自信がつくことで、誰かと比較して、自分はダメだと思うことは消えていきます。
今までと息子さんの行動は変わっていなくても、親御さんに愛されているという安心感で、ありのままの自分を認めれことができるようになります。
自己肯定感が高くなっていくのです。
自己肯定感が高くなっていくことで、比較をしたときに、自分はダメだと思うことが消えていくのです。
自分はダメだと思わなくなれば、誰かに下と思われているかもしれない、という不安は消えます。
不安が消えていけば、学校に行くこともできますよね。
不登校のお子さんには、親御さんの愛をたくさん注いであげてください。
今までも、愛をたくさん注いできていますよね。
お子さんにはそれが、うまく伝わっておらず、大切にされていない、愛されていない、という思いにつながっているかもしれません。
親御さんが不登校のお子さんに笑顔を見せていることで、不登校のお子さんは安心します。
親御さんに比較する癖があるのなら、親御さんもその癖を手放していきましょう。
どうしても比較をしたいときは、お子さん自身の過去と現在をみましょう。
そして、1年まえはこうだったけど、今はこうなってるよ、と成長を伝えてあげてください。
不登校のお子さんや親御さんご自身も、自分をおとしめることはやめていきましょう。