こんにちは、不登校カウンセリングセンターの神谷今日子です。
不登校の子どもの話を聴いていると、「人が怖い」といった声を聞くことがよくあります。
「人の視線が怖い」
「人前が怖い」
「人に変に思われるのが怖い」
…
このように、人からどう見られるか？が怖くなり、教室に行くこと・人と会話することも怖くなる不登校の子どもも多くいます。
こういった時に、どう対応し、克服していったら良いのでしょうか？
今日は、「人が怖い…」の克服の道のりについて解説していきたいと思います。
1．人が怖いという気持ちをそのまま受容する
まず、不登校の子どもが持っている「人が怖い」という気持ちをそのまま受容しましょう。
受容ってどうやるの？と思うかも知れませんね。
実は、こういった「人が怖い」といった気持ちを不登校の子どもが打ち明けた時に、よくしがちな対応があります。
「そんなの怖くないよ！」
「大丈夫だよ！」
「誰もあなたのこと見てないよ！」
といったように、怖いという気持ちを否定してしまうのです。
これは、多くの人が励ますつもりで、悪気なくやってしまうことなのです。
私も心理学を知る前はよくやっていました。
ただ、これを言われた方は、こう思う自分がおかしいのかな？この気持ちは感じてはいけないもの？と思い、自己肯定感が無意識に下がる可能性があるのです。
では、どうしたらいいのでしょうか？
「『人が怖い』と感じたんだね。」
と、まずは、相手の言葉をそのまま伝え返して、受け入れるのです。
親御さんであるあなた自身は同じように感じないとしても、不登校の子ども自身はそう感じたんだなということを受け入れるのです。（感じ方が違っても、そのまま受け入れる感覚です）
こうすることで、不登校の子ども自身も、自分の気持ちを受容し、向き合うという過程に移動することができます。
2．どうなることが怖いのか？、その原因を探ってみる
1の過程を続けていく中で、不登校の子どもが徐々に、自身の気持ちと向き合えるようになってきたら、怖い原因について探っていきます。
「人が怖い」の奥には、必ず、人と関わることで、こうなるのが怖いという原因が含まれています。
例えば、
・人から嫌われるのが怖い
・人から怒鳴られるのが怖い
・人から拒絶されるのが怖い
・人からマウントを取られるのが怖い
・人より劣るのが怖い
・人から仲間外れにされるのが怖い
などですね。
そこの原因を解決していくことで、「人が怖い」の改善は可能になります。
ただ、ここでも注意が必要です。
原因を解決するのに、多くの人がやりがちな対応は、
・嫌われるのが怖い→嫌われないようにする
・マウントを取られるのが怖い→マウントを取られないようにする
といったように、怖い出来事が起こらないように努力してしまうことです。
ただ、人から一度も嫌われたことがない人はいないですよね。
一度もマウントを取られないということもないはずです。
ですから、達成不可能なことをやろうと努力し、疲弊し、無気力になるという悪循環に陥ってしまうのです。
じゃあどうしたらいいのでしょうか？
3．安心の土台を作り上げる
出来事を変えようとしても、達成不可能なことはお伝えしました。
だとすると、そういった出来事が起きても、怖くならないように、自分の中に安心の土台を作り上げることが大切になります。
単刀直入に申し上げますと、自分で自分のことを受け入れている人・本当の意味で自己肯定感のある人は、周りから嫌われてもそこまで気になりません。
マウントを取られても、適当に取らせておきます。
何かひどいことをされても、我慢しすぎたり、ひどい仕返しを企んだりすることもなく、そのまま自分の気持ちを伝えたり、離れたりする勇気を持つことができるようになります。
ですから、不登校の子どもの中にも、そういった自己肯定感を育てていくことが大切になります。
不登校の子どもの自己肯定感を育てるには、親御さん自身が、ありのままの子どもを愛していくこと・受容していくことも大切になります。
どんなあなたであっても、私はあなたのこと愛してるよ。
何かができてもできなくても、居てくれるだけで、すごく嬉しいよ。
といったことですね。
以上が、人が怖いを克服する過程になります。
怖いという気持ちをそのまま受け入れ、怖い原因を知り、そういった出来事が起こっても大丈夫なように、本当の自己肯定感を育てていくということです。
ただ、これらの「人が怖い」を克服する過程は、親御さんだけでやりきるのは難しい場合が多いです。
ですから、こういったときこそ、ぜひ、カウンセラーの力などを借りながら、不登校を解決していってくださいね。
では、今日は心理カウンセラーの神谷今日子がお送りしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。