こんにちは!
不登校カウンセリングセンターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。
不登校または不登校傾向・登校しぶりのお子さんは
「○○がいつも話をしていると、私のことを話しているみたいなんだよね。休み時間がいつも苦痛だ。」
「体育で□□やりたくない。」
だから学校に行きたくないんだ。
というように、イヤなことをネガティブにとらえてしまっていて、
そのことで反復思考を起こしてしまい、
学校に対するネガティブな思いを増幅させてしまってはいないでしょうか?
親のあなたは、
そんなことで学校に行かないなんて馬鹿げてる!と思うでしょうか。
私も学校に行きたくない気持ちがあったなぁ、と思うでしょうか。
不登校または不登校傾向・登校しぶりの子どもは苦しんでいる最中です。
苦しくなってくると、人間は自分のことを客観的にみられなくなってくるものです。
不登校・不登校傾向・登校しぶりの子どものこころの中は、
『学校に行けない自分はこれでいいのか?』と、不安でモヤモヤしていることもあります。
まず、話を聞くときには、子どものとの信頼関係を築いていることが大切です。
↑こちらの記事もよろしければ参考にされてくださいね。
不登校の子どもは家にいても、すごく不安な気もちをかかえていることがあります。
おうちで過ごすときには、やさしい言葉をかけるなどの、精神的な居心地の良さを大切にしてくださいね。
そして、親と話すことで、子ども自身が自分の感情を知ることができるような聴き方ができるといいですね。
親が子どもの気持ちを理解して、それを子どもに伝えることで、
子どもは自分自身が気持ち・感情をよりはっきりと知ることができるようにもなっていきます。
では、子どもの話を聴くには、どのようにすればよいのでしょうか?
子どもの話を『聴く』ということ。
あなたはカウンセリングの”傾聴”という言葉を聞いたことはありますか?
”傾聴”のときのはなしを「きく」は「聞く」ではなくて「聴く」ですね。
子どもの言いたいことをしっかり受けとめて全身全霊で聴くことがとても大切です。
傾聴のポイントは、
・親の考え・価値観を押し付けない=ジャッジしないで聴くこと
・子どもの目を見て、「私はあなたの話をちゃんと聴いていますよ」ということを表すこと。
・重要だなと思うところは、あいづちを打ったりオウム返しをすること。時には沈黙も必要。
・非言語コミュニケーション(声のトーン、表情、話す早さ、目の動き、動作)を見逃さないこと。ここに本質がでるのです。
親はつい自分の考えを通して、子どもの言っていることをジャッジしてしまいがちですが、
善悪の判断をせずに子どもの話をありのまま聞くということがとても大切です。
ジャッジされないということは、子どもは拒否される心配がなく、自分の考えや気持ちを表現できる状態になって、はじめてありのままの自分でいいんだと思うことができて、ありのままの自分に自信がもてるようになるのです。
なので、決して親の考え・価値観を押し付けるのではなく、子どもの言っていることをありのままにとらえてくださいね。
つまり、しっかり受け止めて『聴く』ことで、子どもの人格を尊重してあげることができるのです。
子どもの感情を言葉にしよう
そして、子どもの話を聴くときには、その言葉だけを聞くのではなく、感情を言葉にしてあげましょう。話を聴いていると、子どもは自分の気持ちを話していないということがあります。非言語コミュニケーションから気持ちが伝わってくることもありますね。その時親が、子どもがその時に感じているであろう気持ちを言葉にしてあげましょう。
例1
子ども:「教室で、何人かが集まっていつも話をしているんだ。私の悪口を言ってるんじゃないかな、と思うんだよね」(悲しい顔つきで)
親A:「そんなの気のせいだよ。」
親B:「自分の悪口を言われているように感じているんだね。それは悲しいね。」
さて、親Aと親Bどちらが子どもの感情を言葉にしているでしょうか?
もちろん親Bですね。
親Aのように言われて、頭ごなしに否定されてしまった子どもはもう話す気はなくなってしまうでしょう。
親Bのように、子どもがどう感じているか、何を話したいのかを、親が鏡のようになって代弁してあげてください。
例2
親C:「そんなに口をとんがらせてるってことは、納得してないんだね。」
親D :「満面の笑みだね!めちゃくちゃうれしいんだね!」
親E:「なんか心配そうだね。どうしたのか、話してみない?」
親CDEのように、子どもは言葉に出していないのに、表情などの非言語コミュニケーションの部分から、自分の気持ちをわかってくれた、と感じた子どもは、進んで自分の感情を表現しようとしていくようになっていきますよ。
このように非言語コミュニケーションの部分には本質が出ているのです。
傾聴、そして、子どもの気持ちを代弁することは練習が必要な部分もありますが、大事なのは、子どもの感情を理解しようと心から努力することです。子どものことを思ってやっていくことです。その気持ちは子どもに必ず伝わりますよ。