心理士のブログ

親の言葉がけの落とし穴

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~不登校の解決は、親の“ひとこと”の変化から~

こんにちは、
不登校カウンセリングセンターの真鍋良得です。

「子どもの自己肯定感を高めてあげたい」
「不登校をなんとか解決したい」
そう願う親御さんは、とても多いのではないでしょうか。

私もそのひとりでした。

親としてできることは全部やってきたつもりでしたが、ある時、私は大きな落とし穴にはまっていたことに気づいたんです。
それが――
「思考の先読み」でした。

「思考の先読み」ってなに?

「思考の先読み」とは、
子どもが話す前から、「きっとこう言うだろう」と決めつけて、
まだ言っていないことを先に言ってしまうことです。

例えば、こんな親子のやりとり。

子ども:
「今日、ホットケーキミックス買ったよ。」

親:
「またお菓子ばっかり作るの?砂糖ばっかりじゃん。」

子ども:
「…ううん、明日、友だちの誕生日だから一緒に作ろうって言ってて。」

どうですか?

「ホットケーキミックスを買った」と言っただけで、
“また甘い物ばかり食べて!”
という前提で話を進めてしまう。
これが「思考の先読み」です。

子どもは、「また否定された」と感じます。
本当は、友達のために作りたい、やさしい気持ちだったのに――
それを親に伝える気持ちも、しぼんでしまうのです。

「思考の先読み」が不登校を悪化させる理由

不登校の子どもは、
自分に自信がなくなっていたり、
「誰もわかってくれない」と感じていたりします。

そんな時に、「言ってもいないこと」を親に先回りして言われてしまうと、
「ほら、やっぱりわかってくれない」
「どうせ何を言っても無駄だ」
と、心のシャッターをぴったり閉じてしまいます。

それが毎日の会話で何度も続くと、
ますます話さなくなる。
ますます部屋にこもる。
そして、ますます不登校は長引く――
そんな悪循環に陥ってしまうのです。

「思考の先読み」をやめると、子どもは変わり始める

では、どうしたらいいのでしょうか?

答えはとてもシンプルです。

「子どもが言ったことだけを、そのまま受け取る」

ただそれだけ。

たとえば、先ほどのパンケーキの例でも、

親:
「ホットケーキミックス買ったんだね!」

子ども:
「うん、明日友だちの誕生日で、一緒に作ろうって。」

こんなふうに、
“へぇ、そうなんだ!”とだけ返しておけば、
子どもはちゃんと、自分の想いを話してくれるんです。

すると、親は自然と「共感」ができるようになり、
子どもは「わかってもらえた!」という感覚を取り戻していきます。

そして少しずつ、笑顔が戻り、
やがて自分から「学校行ってみようかな」と思い始めるようになることもあるのです。

実際に起きた変化

あるお母さんは、「思考の先読み」に気をつけるようになってから、
会話の中で“自分の考えを押しつけない”練習を始めました。

すると、1ヶ月もしないうちに、
「今日は近くのコンビニまで行ってくる」と子どもが自分から外に出るようになり、
その後、学校にも復帰できたそうです。

親の“ひとこと”が、未来を変える

私たち親は、
「子どものために良かれと思って」
「先回りして助けようと思って」
つい言いすぎてしまうことがあります。

でも、子どもにとって本当に必要なのは、
“アドバイス”ではなく“共感”です。

その第一歩が、
「思考の先読み」をやめること。

子どもが自分の言葉で話すのを待ち、
その言葉を、そのまま受け取ること。

たったそれだけで、
子どもの心に変化が起きていくのです。

まとめ

  • 不登校の子の自己肯定感を育てるカギは「共感」
  • 共感の第一歩は、「思考の先読み」をやめること
  • 子どもが言ったことをそのまま受け取り、信じて待つこと

子どもは、親に「わかってもらえた」と感じたとき、
一歩を踏み出す勇気を持てるようになります。

あなたの“ひとこと”が、
きっと子どもの未来をやさしく照らす灯りになるでしょう。

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