
こんにちは、
不登校カウンセリングセンターの真鍋良得です。
今日は、不登校のお子さんを持つある親御さんの話を紹介します。
子どものころ、甘えられなかった私
子どものころの私は、母に甘えた記憶があまりありません。
母はいつも忙しく、仕事に家事にバタバタ走り回っていて、
何かを聞いても「自分で考えなさい」と言われるだけでした。
「お母さん、きっと疲れてるから…」
そう思うと、抱きつきたい気持ちも、「これ聞いてほしい」という言葉も、そっと胸にしまっていました。
学校も、「嫌でも行くのが当たり前」「辛くても我慢するのが普通」と信じていました。
泣きたい朝も、笑顔を作ってランドセルを背負っていました。
息子の一言がくれた気づき
ある朝、息子が布団から顔だけ出して、ぽつりと言いました。
「…学校、行きたくないな」
その声は小さくて、でも確かに心の奥に響きました。
一瞬、「頑張らなきゃダメでしょ」という言葉が浮かびました。
けれど、息子の瞳を見たとき、その言葉は飲み込みました。
その目は、何かを我慢している昔の私と同じ色をしていたのです。
親の甘え不足が子どもに映る
私はずっと、「迷惑をかけてはいけない」「甘えてはいけない」と思ってきました。
本当は頼りたいときも、「大丈夫」と笑ってやり過ごしてきました。
でも、人は甘えることで安心し、心があたたまります。
その安心感を知らないまま大人になった私は、きっと息子にも「甘え方」を見せられていなかったのでしょう。
だから息子は、代わりに私の分まで甘えてくれていたのかもしれません。
まずは、私が甘えてみよう
その日から、少しずつ人に頼ってみることにしました。
- 「今日はご飯を作るのを手伝ってくれる?」
- 「重い荷物だから、一緒に持ってほしいな」
- 「ちょっと話を聞いてもらえる?」
- 「今日は疲れたから、晩ごはんはお惣菜にしちゃおう」
最初は勇気がいりましたが、お願いを受け入れてもらうたびに心がじんわりあたたかくなりました。
そして不思議なことに、息子も少しずつ表情がやわらぎ、笑顔の時間が増えていきました。
今日からできる「甘える練習」
もし「甘えるのが苦手」と感じるなら、まずは小さなことから始めましょう。
- 「ありがとう」の言葉を添えてお願いしてみる
「○○してくれもらうこと、できる?」と伝え、相手が引き受けてくれても、くれなくても「ありがとう」の言葉を添えると、頼まれた相手も応じやすくなります。 - 完璧をやめる
「今日はこれで十分」と自分にOKを出し、人に任せる余白をつくります。 - 弱音を一言だけ言う
「疲れちゃった」「ちょっと休みたい」など、短くても本音を出す練習をします。
甘えることは、親子の心をつなぐ
不登校の原因は、子どもの甘え不足ではなく、親の甘え不足かもしれません。
だからこそ、まずはあなた自身が誰かに甘えてみてください。
あなたの心が満たされると、その安心感はお子さんにも自然と伝わります。
それが、親子の心をもう一度つなぐ、大切な第一歩になります。
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