不登校カウンセリングセンター
真鍋良得です。
小学4年生の花子さんはお正月をお父さんの実家で過ごすため、家族で電車に乗っていました。
3年生の時から学校に行けてない花子さんにとって久しぶりの外出です。
目的の駅について電車から降りた花子さんは、手に持っていたはずの大事なぬいぐるみがないことに気づきました。
どうやら電車の座席において来てしまったようです。
花子さんはそのことをお母さんにいいました。
お母さんは「あんたが降りるときに確認しないからいけないんでしょ!」と言って先に歩いて行ってしまいました。
今度はお父さんに訴えました。
お父さんは「忘れてきたものはしょうがないだろ、新しいの買ってやるよ、おじいちゃんが待ってるから早く行くぞ!」と言って先に歩いて行ってしまいました。
おじいちゃんの家に着いて、おばあちゃんにぬいぐるみのことを話しました。
おばあちゃんは「忘れもの預かり所みたいなところはあるけど、そんなぬいぐるみんなんかどうせ取っておいてくれてないよ」と言います。
今度はおじいちゃんに言ってみました。
おじいちゃんは「いい経験したな。今度からはなくさないように気を付けような」と励ましてくれました。
でも、花子さんは、ぬいぐるみを取り戻したいだけなのに、誰も力を貸してくれません。
3日後、お正月のあいさつに来た親戚のおじちゃんにぬいぐるみのことを話しました。
おじちゃんは、すぐに駅に電話をしてくれました。
駅員さんは、おじちゃんに忘れ物保管センターの番号を教えてくれて、そこに問い合わせました。
すると、花子さんのぬいぐるみと同じ色や形のぬいぐるみが届いてることがわかりました。
花子さんはお母さんに頼んでそこに連れて行ってもらいました。
忘れ物センターに行くと、そこにあったのは花子ちゃんのぬいぐるみでした。
ぬいぐるみは無事に花子ちゃんの元に戻ってきました。
あなたは、この話を読んでどう思われましたか。
花子さんにとっては大切なぬいぐるみ、花子さんはそれを取り戻したいだけでしたが、身近な大人たちは誰もその気持ちをわかってくれませんでした。
共感することと思い込みをなくすことが大事だと気づかされます。
たとえぬいぐるみを二度と手にできなくても、花子さんの気持ちを理解し、気持ちに寄り添ってあげる人がいれば、花子さんの気持ちは救われます。
アドバイスをするときは自分の価値観や思い込みを捨て、相手の立場、相手の視点に立ち、相手の気持ちを理解することが大切です。
「そうなんだね」「それはたいへんだね」と、まず最初に相手の言葉を受け取ってあげることを心がけると信頼関係を築いていくことができます。