こんにちは!
不登校カウンセリングセンターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。
「学校ってどうして行かなきゃいけないの?」
とお子さんに聞かれたら、親のあなたは何と答えますか?
「学校に行きたくない」
と子どもが言い出した時に、
はたして、
「学校に行きたくない」という子どもの気持ちを尊重して学校に行かせないのがいいのか?
もうちょっと頑張らせて学校に行くようにさせたらいいのか、
どっちが子どもにとって正解なんだろう?
と、迷ってしまうことはありませんか?
今回は、
『どうして学校に行かなくては行けないのか?』
ということについて、一緒に考えてみましょう。
勉強する場所としての学校
まず学校ですることといえば
『勉強をすること』
ですね。学校に行けば、学習する内容も順番も時間割も決められていて、一緒に取り組む仲間もいます。
それを、家で一人でやるということは、教材の準備から時間配分まで、全て自分でやらないといけないのです。
家でやることができる子どももいるかもしれませんが、たいていは学校で勉強するよりも大変でしょう。
かなり自分を律することができる子どもでないと難しくなります。
勉強は学校でやった方が楽にできるのが一般的です。
AIやロボット化によって、今ある多くの仕事がなくなる。
今の子どもたちは将来、今現在存在しない仕事に就くという話もあります。
子どもが将来就きたい職業に就ける選択の幅を広げておくためにも、
学校で学習の基本の部分を学ぶことは大切です。
ソーシャルスキルトレーニングの場としての学校
そして、学校は、対人関係を学ぶ場所でもあります。
自分とは違う意見や考えを持っている相手の話を聞いて、
自分の意見や考えはどのように相手に伝えるのか。
自分が伝えたことに対してまた相手はどのような気持ちを抱くのか
実際の経験をしながらお互いに学び合っていくことができる場所なのです。
社会に出てからも、必ず人と接する機会があると思いますが、
そんな時にどうしていくか、どうすれば人間関係がうまくいくのか?
というところをうまくやっていくための練習ができるところなのです。
また、社会では色々なルールがありますが、
学校の集団生活のルールの中で社会に出る前に自由や責任についても学ぶことができるのです。
そして、同級生などと比べながら、
自分はこういう特性がある。これが得意だ。あれが苦手だ。
といった自分を知るいい機会でもあります。
相手がいることで、『自分はこういう人間なんだ』、と客観的に見ることができるようになっていくのです。
そして、毎日学校に通うこと自体で、
生活リズムを整えることができます。
毎日決まった時間に起きて、準備をして学校へ行き、
イヤだな、と思うことがありながらも授業を聞き、
たまに友だちとトラブルになることもありながらの生活をしているだけで、
ストレス耐性(ストレスに対処する力)が身につきます。
不登校などで学校を続けて休んでいると、
子のストレス耐性が弱くなってしまうのです。
このストレス耐性は社会に出ていくためにも必要なスキルです。
大切なのは将来自立すること
不登校を解決するということは、
学校に行く、というのが、正解とは限りません。
不登校になる理由は、その子その子によってみんな違います。
解決としてどのような状態を目指すのかもひとり一人違うのです。
一番大切なのは、子どもが将来自立できるということです。
不登校になる前は、子どもが学校に行くのが当たり前になっていた、
という方もいるかもしれませんね。
不登校が、何のために学校に行くのかを改めて考えるいい機会なのかもしれません。
うちの子どもは、学校に何のために行っているのか。
一度じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。