こんにちは!
不登校カウンセリングセンターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。
子育て中のあなたは、マルトートメントという言葉を聞いたことがありますか?
マルトリートメント(マルトリ)とは、不適切な養育のことを指す言葉です。
「強者である大人から、弱者である子どもへの不適切な関わり方」のことをマルトリートメントというのです。
「虐待」という言葉は耳にすることが多いかもしれませんが、多くの子育て中の方にとっては自分には関係ないと思っているかもしれません。でも、虐待の定義には当てはまらなくても、子どもにとって不適切な関わりはマルトリートメントになります。
WHOのチャイルド・マルトリートメントの定義によると、身体的虐待、精神的虐待、性的虐待、ネグレクトを含み、従来の児童虐待より広範囲な意味で、虐待とは言い切れない大人から子どもへの発達を阻害する行為全般を含めた不適切な養育のことになります。大人の側に加害の意図があるか否かに関わらず、また、子どもに目立った傷や精神疾患が見られなくても、行為そのものが不適切であれば、それは『マルトリートメント』になります。
たとえば、こんな関わり方はマルトリートメントに当たります。
・子どもを兄弟姉妹と比較して傷つける言葉をかける
・しつけのつもりで脅したり暴言を浴びせたりする
・子どもの前で夫婦喧嘩をする(面前DV)
・子どもに配偶者の悪口を言う
・スマホ・タブレットを子どもに与えて放置する
・子どもの気持ちを無視して、親の教育方針・進路・就職などを押しつける
どの家庭でも起こりうることなのです。
そして、分かってきたことは、虐待や体罰を受けることで、脳の大事な部分に傷がつくということです。
・心がある場所である前頭前野は、体罰で小さくなります。非行やうつの原因に。
・聴覚野は罵倒されたり存在を否定するような言葉の暴力を受けることにより変形して、言葉の理解力が下がってしまいます。
・視覚野は親のDVを見聞きすると小さくなります。
知らず知らずと「マルトリートメント」をしてしまっていたことに気づいたら、今からやめるようにしていけばいいのです。
子どもの脳は発展途上です。早いうちに手を打ち、回復もしていくこともできます。「アタッチメント」を実践して脳を修復しましょう。
マルトリートメントが子どもの脳に及ぼす影響を知って、体罰・暴言による子育てはしないように決めましょう。
自分が子どものときに虐待やマルトリートメントを受けていた場合、自分の子どもにも虐待やマルトリートメントをしてしまう、”虐待の連鎖”もあることです。しかし、マルトリートメントを経験した3/2が自分が親になってもマルトリートメントをしないという事実もあるのです。
あなたも自分がされておかしいと思ったこと、嫌だったことの経験はあるのであれば、自分の子どもには絶対に同じことをしないようにしていきましょう。
どうしても、してしまう、悪いと分かっているけど止められないという場合、一人で抱え込まずに専門の機関に相談したり、カウンセリングを受けたりすることも大切です。
親であるあなたがまず、幸せになることがとても大切なことですよ。