こんにちは、不登校カウンセリングセンターの神谷今日子です。
不登校の子どもを見ていると、やる気がなさそう…「面倒臭い」が口グセ…昔はもっと良い子だったのに…もうちょっと気分転換に何かしたらいいのに…と思うことはありませんか?
不登校の子どもは無気力になっていることも多いです。
好きなことはできるというケースもありますが、好きなことすら手につかない不登校児もいます。
今日は、不登校の子どもにやる気を出させるには、どのようにしたら良いか、お話させていただきます。
できないことをやろうとすると無気力になる
不登校でやる気が出ない子どもの中には、元々は頑張り屋でまじめだった子も意外と多いです。
勉強やスポーツなど、色々なことを頑張ってきたのに、燃え尽き症候群のようにやる気が出なくなるケースですね。
この場合、「これができない自分ではダメだ」、「失敗することがあってはいけない」、「人から褒められなければいけない・嫌われてはいけない」という、少し無茶な「こうあるべき」を強く持っていることがあります。
生きていると、100%完璧なことってありませんよね。
私たち大人も、仕事でどうしてもできないこと・失敗すること、あります。
また、世の中は色々な価値観を持った人がいるので、すべての人に褒められたり好かれたりすることはあり得ません。
ただ、つい、その不可能な100%を求めて、無茶をしてしまい、なかなか達成できずに無気力・やる気が出なくなり、不登校となるのです。
やる気が出ない奥には、不安や恐怖がある
これができなかったら、先生に怒られるかも…親に嫌われるかも…
人から嫌われたら、何かとんでもないこと(いじめなど)が起こるかも…
こんな不安や恐怖が子どもの中にあり、それを避けるために、100%完璧を求めて、無茶をします。
ただ、先ほども申し上げた通り、何でも出来る人や誰からも嫌われない人はいません。
ですので、頑張っても頑張っても、達成できず、無気力・やる気が出なくなる。
ということが起きます。
この場合、不登校の子どもの観念・認知のゆがみを変えていくことが大切になります。
親御さんだけではなかなか難しいケースも多いので、カウンセラーに相談されるのがおすすめです。
ただ、親御さんにできることもたくさんあります◎
あるがままを認め、無条件に存在していていいと思えるように
不登校の子どものやる気を出すには、無茶な「こうあるべき」を外していってあげることが一つ大切になります。
親御さんができることとしては、無条件に子どもを受容していくことです。
例えば、テストが90点以上だったら褒める・90点行かなかったら怒るという対応を子どもにしていたらどうなるでしょうか?
子どもは、「90点以上でなければいけない」「90点行かなかったら親から愛されない」と思うようになるかもしれません。
ですから、条件をつけて子どもを見るのではなく、「できてもできなくてもあなたを愛している」ということを伝えていくことがとても大切なのです。
「誰かお友だちに嫌われたとしても、私たちはあなたの味方だよ」と伝えてあげる。
「いてくれるだけで嬉しいんだよ」「生まれてきてくれてありがとう」と伝えていく。
こうすることで、徐々に子どもの中の「こうあるべき」が取れていきます。
いやいや!「こうあるべき」がなくなったら、余計にやる気が出なくなるでしょう!?と思う親御さんもいるかもしれませんね。
ただ、「こうあるべき」で出すやる気は、恐怖から来るやる気で、もろいです。
ずっと続けることは難しいし、自分を責める傾向も強くなっていってしまいます。
本当は、私たちは、「こうあるべき」などの無茶な条件で縛らなくても、何かに取り組む力を持っています。
その力を出せる状態になってから、ようやく、持続する本当のやる気が出せるようになるのです。
親御さんも人生を楽しく生きる
親御さんであるあなたは、どうでしょうか?
いつも仕事や家事の愚痴を言っていたり、人生を嘆いたりしていませんか?
それを見ている不登校の子どもは、社会って楽しくないところなんだな・人生って辛いものなんだなと思うようになります。
そうすると、不登校の子どもは無気力になり、なかなかやる気を出すことは難しくなりますよね。
ですから、親御さん自身も楽しく毎日を生きるというのも、不登校の子どものやる気を出すのに大切です。
ただ、「子どものために楽しく生きなければいけない」と、「こうあるべき」にはせず、楽しんでくださいね♪
子どもの好き・やりたいを引き出す
不登校の子どもが好きだったこと・やりたいことは何でしょうか?
「こうあるべき」で縛られすぎていた時は見えなかったものが見えてくるようになります。
実は、私自身も高校生の時、不登校で、当時はテレビを見るのも辛いほど無気力でした。
ただ、「時間があるなら勉強をするべき」・「失敗するようなことはしてはいけない」などの「こうあるべき」を取っていった結果、本当は音楽をやってみたかったということに気付いたのです。
ギターを買って、一生懸命練習するようになり、少しずつ本来の自分を取り戻していきました。
そして、今やることはとりあえず高校を卒業することだ!と気付いたので、当時通っていた高校を卒業することも出来ました。
スモールステップで、少しずつ、達成感を
何かしたいことが出てきた時も、登校を始める時も、勉強を再開する時も、いきなり完璧に…ではなく、スモールステップで取り組んでいきましょう。
こうなりたい・これをやりたいなら、まずはここまでやってみようというようにです。
取り組んだ後は、できていないところに注目するのではなく、できたところに注目し、そして、頑張った過程を褒めていきます。
そうすることで、無茶な目標を達成できず、無気力・やる気が出ないということが減り、「できてもできなくても自分は頑張った」と不登校の子ども自身が自分を認められるようにもなっていきます。
終わりに
ということで、今回は、不登校の子どもにやる気を出させるには?というテーマでお話しました。
参考になりましたでしょうか?
ただ、人がみんな違うように、不登校の原因も不登校の子どもやる気を引き出す方法も少しずつ、違います。
もし、子どもの不登校でお悩みの方は、ぜひカウンセラーに相談なさってみてください。
心理検査などで、不登校の原因やその子の性格を知ることができます。
では、今日は心理カウンセラーの神谷今日子がお送りしました。