こんにちは、不登校カウンセリングセンターの神谷今日子です。
突然ですが、
あなたは、発達障害という言葉を聞いたことがありますか?
不登校の原因の一つに、発達障害があることをご存知ですか?
発達障害とは、発達障害者支援法において、
「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」
と定義されています。
つまり、発達障害とは、生まれつきの脳機能の障害で、小さい頃から症状が出ているものになります。
(ただし、小さい頃から症状が出ていても、大人になってから発達障害に気付くこともあります)
実は、この発達障害と不登校には、大きな関係があるのです。
発達障害の症状を見てみると、
・空気が読めない
・「これ」「あれ」「それ」などの言葉が指しているものがわからない
・曖昧な表現が理解できない
・何かに対してのこだわりが強い
・感情のコントロールが苦手
・忘れ物やうっかりが多い(不注意)
・衝動的に行動してしまう(衝動性)
・何かに集中し過ぎてしまう(過集中)
・ 読み・書き・算数のいずれか、または複数が困難である(学習障害)
・同じ動きを繰り返す(常同行動)
・最初の音を繰り返したり、言葉をのばして発音する(吃音・どもり)
などがあり、発達障害の方は、これらの症状のいずれか、または複数を併せ持っています。
実は、こういった発達障害の症状があると、不登校にはなりやすくなります。
例えば、
・友だちとの会話が上手にできず、仲間外れにされてしまい、不登校になる。
・こだわりの強さから、学校の活動にうまく参加できず、不登校になる。
・感情のコントロールがうまくできず、パニックを起こす機会が増え、不登校になる。
・読み・書き・算数のいずれかに困難があるために、勉強についていけず、不登校になる。
・先生の説明が理解できず、別の行動を取ってしまい、叱責されているうちに、不登校になる。
・常同行動や吃音を繰り返している内に、周囲の目が気になるようになり、不登校になる。
等々、こんな風に、発達障害の症状が、不登校を誘発してしまうのですね。
ですので、発達障害が原因の不登校の場合、一般的な不登校とは解決方法が異なります。
まずは、知能検査をおこなうことで、その子の脳にどんな特性があるのか?どんなところで困難が生じやすいのか?を見ていきます。
そして、その数値やお子さんの状況を元に、環境調整やトレーニングをしていきます。
環境を調整することで、発達障害がある子どもでも学習や活動がしやすい環境を作ることができます。
トレーニングをおこなうことで、特性を緩和したり、適切な行動ができるようになります。
また、認知行動療法など、他の心理療法も合わせておこなっていきます。
ですので、 発達障害が原因で不登校になっているお子さんがカウンセリングを受ける場合は、発達障害と不登校、両方に詳しいカウンセラーの元で、知能検査やトレーニングも合わせて受けるのがおすすめです。
お子さんの不登校でお困りで、もしかして、うちの子、発達障害の傾向があるのかな?と悩んでいる親御さんは、ぜひ、これらのことを踏まえて、解決方法をご検討くださいね。
ちなみに、知能検査を病院で受けると、 お医者さんの判断によっては、発達障害の診断が下ります。
診断が下りると、障害者手帳を取得できるなどの利点もあるのですが、就職や結婚の時に、発達障害であることを申告しなければならなくなります。
申告をしないと、罰せられる可能性もあるため、ここは注意が必要です。
もし、診断は要らないけれど、発達障害ならではの困りごとを知り、子どもの不登校を解決していきたいという場合は、カウンセリングルームや地域の支援センターなど、病院でないところで知能検査を受けることをおすすめします。
当センター(不登校カウンセリングセンター)も、知能検査の実施が可能ですし、トレーニングはオンラインで、全国どこでもおこなうことが可能です。
まとめると、
・ 発達障害とは、生まれつきの脳機能の障害。
・発達障害があると、不登校になりやすくなる。
・発達障害が原因の不登校の場合、 一般的な不登校と解決方法が異なる。
・ 解決方法としては、知能検査をおこない、その数値やお子さんの状況を元にして、環境調整、トレーニング、心理療法をしていく。
・病院で知能検査を受けて診断が下りると、 就職や結婚の時に、発達障害であることを申告しなければいけなくなるので注意。
ということでした。
参考になれば幸いです。
では、今日は、心理カウンセラーの神谷今日子がお送りしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。