心理士のブログ

そんなこと言っちゃダメ

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「そんなこと言っちゃダメ」より大切なこと

――子どものネガティブな言葉が教えてくれる、本当のサイン――


こんにちは、
不登校カウンセリングセンターの真鍋良得です。

「いやだ」
「やりたくない」
「むかつく」
「もう死にたい」

子どもがこんな言葉を口にしたとき、
親としてドキッとしたり、怖くなったり、
思わず
「そんなこと言わないの!」
「前向きに考えなさい!」
と止めてしまった経験はありませんか。

それは、親として自然な反応です。
子どもを心配するからこそ、
ネガティブな言葉を消したくなるんですよね。

でも、ここに大切な視点があります。

子どもは「困らせたい」のではなく、「わかってほしい」

子どもがネガティブな言葉を口にするとき、
それはワガママでも甘えでもありません。

多くの場合、
「もう限界だよ」
「ひとりで抱えきれないよ」
という心のサインです。

言葉は荒くても、
本当はこう言っているのかもしれません。

  • つらい
  • 苦しい
  • どうしていいかわからない
  • でも、どう伝えたらいいかわからない

その気持ちを口に出した瞬間に、
「ダメ」「そんなこと言わない」と否定されると、
子どもの心にはこう残ります。

「この気持ちは出しちゃいけないんだ」
「本当の自分は受け入れてもらえないんだ」

すると、
言葉を失い、
心を閉ざし、
ますます回復から遠ざかってしまいます。

行動ではなく、「気持ち」に寄り添うということ

子育てをしていると、
どうしても行動に目が向きがちです。

  • 学校に行ってほしい
  • 勉強してほしい
  • 元気になってほしい
  • 前向きになってほしい

でも、子どもが本当に必要としているのは、
行動を変えさせられることではありません。

「この気持ちのままでも、ここにいていい」
そう感じられる安心感です。

たとえば、

「やりたくない!」
と言われたときに、

✕「やらなきゃダメでしょ!」
〇「そうか、今はやりたくないくらいしんどいんだね」

「死にたい」
と言われたときに、

✕「そんなこと言わない!」
〇「そこまで追い込まれてるんだね」

解決しようとしなくていい。
正しい言葉を探さなくていい。

ただ、その気持ちがそこにあることを認める。

それだけで、
子どもの心は少しずつ緩み始めます。

親が変わると、子どもは自然に変わる

多くの親御さんは、
「どうすれば子どもが変わるのか」
と悩まれます。

でも、現実には
子どもを変えようとしてうまくいったケースは、
ほとんどありません。

むしろ、

  • 学校に行かせようとする
  • 生活を正そうとする
  • ネガティブをやめさせようとする

こうした関わりが、
かえって子どもを苦しめてしまうことも少なくありません。

大切なのは、
子どもを変えることではなく、親の在り方が変わること

親が
「この子はこのままで大丈夫」
「どんな気持ちでも受け止めよう」
と構えられるようになると、

子どもは
「ここにいていい」
「安心して戻ってきていい」
と感じられるようになります。

その安心感こそが、
子どもが自分で前を向く力を取り戻す土台になります。

マイナスな気持ちにこそ、共感が必要

つい私たちは、
子どもを元気づけようとして
ポジティブな言葉をかけたくなります。

でも実は、
一番共感が必要なのは、マイナスな気持ちのときです。

苦しいときに、
「大丈夫」「頑張ればできる」
と言われるほど、
孤独になることはありません。

「そっか、そんなに苦しかったんだね」
その一言が、
子どもの心を回復へと向かわせます。

子どもを救う前に、親が自分を許す

最後に、とても大切なことがあります。

それは、
親自身が自分を責めすぎないこと

「ちゃんとできていない私」
「ダメな親なんじゃないか」
そんな思いを抱えたままだと、
子どもの言葉を受け止める余裕は生まれません。

親が自分を許せるようになると、
子どものことも自然と許せるようになります。

完璧じゃなくていい。
揺れながらでいい。

親が安心すると、
子どもも安心する。

それが、
親子の心の距離を縮め、
子どもの心を回復へと導く、
いちばん確かな道なのです。

もし今、
子どもの言葉に傷つき、戸惑っているなら、
「否定しないで聞こうとしている自分」を
どうか大切にしてください。

その姿勢そのものが、
子どもにとっての希望です。

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