こんにちは。不登校カウンセリングセンターの阿部由香里です。
テレビでニュースを見ていると、ここ数年はとくに、時代の変化がますます速くなっていると感じます。数年前まではあたり前だったことが、気づけばいとも簡単に常識が変わってしまったように感じる。そんなことがいくつもあります。
祖父母の世代、親の世代、私たちの世代、子どもたちの世代。
それぞれの時代の背景があり、その時代の常識や観念があり、親から子へと受け継がれてきました。
食べるものに困った戦時中を生きてきた祖父母の時代。戦後に育ち、物質的な豊かさを求めて必死に働いた親の世代。物や食べ物に不自由なく、安全な生活を手に入れた私たちの世代。そして今、子どもたちの新しい時代。
それぞれの時代背景は変わり続けますが、自由と幸せを求めることだけは、同じなのかもしれません。ただ、自由と幸せの形はその時代ごとに変わります。
戦後の貧しい生活の時代には、学校へ行くことこそが教育への道であり、憧れでありました。なので、私の親の世代には、今で言う不登校という概念はありませんでした。学校で学べることで豊かな生活を得られ、幸せになれるというような常識がありました。
その後、日本で教育は義務化になり、誰もが中学を卒業するまで勉強をできるようになりました。高校まで進学することも普通になり、さらに大学へも進学する人が増えました。
今では学べる場所も、学校だけでなくそれ以外の場所でもできる塾や予備校、オンラインでの教室も充実しています。なんでも選択ができる時代になりました。
選択肢が、かなり増えているのです。
親の言うことは、少し時代が古いと子どもは感じているのだろうと思います。
なぜなら、親は自分が経験してきた大事な教訓を、子どもに伝えたがるから。その経験がない子どもには大事と思えないかもしれません。
自分にとっての幸せと、子どもにとっての幸せは、何かと違っていても当然です。
子どものために、と頑張るのが親であるでしょう。でも、子は親の期待どうりにはなりません。
不登校児の親であるあなたは、子どものこうであるべき、という観念を手放さないと苦しくなります。
これからの時代は、お互いに尊重しあって、自立する。依存しない関係であるのが大事です。
子どもは自分で幸せになれるという信頼を、持っていてくださいね。
木の上に立って(離れて)見守っているのが「親」という漢字の成り立ちです。
それでは、良い一日を。本日は、阿部由香里がお届けしました。