心理カウンセラーのブログ

怒ると叱るの違い

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こんにちは!
不登校カウンセリングセンターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。

不登校または不登校傾向・登校しぶりの子どもがいる親のあなたは、
お子さんに言わなけれないけないことを『怒る』言い方で伝えていますか?
それとも、『叱る』言い方で伝えていますか?

「え、怒るのも叱るのも同じことでしょ。なにか違いがあるの?」

と思った方は、こちらの記事をぜひ読んでみて下さいね。

なお、職場での上司と部下や先輩・後輩の関係などでもあることと思いますので、よかったら参考になさって下さい。

『怒る』は自分のため、『叱る』は相手のため

『怒る』と『叱る』にはこのような違いがあります。

怒る叱る
誰のため自分(怒っている本人)相手
いつ・何のために 相手が自分に悪い影響を与えたり、自分が指示した通りに動いてくれなかったりした場合に、自分が腹を立てたことを相手に理解してほしい時 相手が自分を含めて誰かに悪い影響を与えたり、自分が指示した通りに動いてくれなかったりした場合に、相手を良くしようとする注意やアドバイスを、あえて声を荒げたり語気を強めたりして相手に伝えたい時
状態感情的
ネガティブ
冷静・客観的・論理的
ポジティブ

『怒る』とは「私は腹を立ててます!」と相手にアピールしている状態です。

そして、
「自分の思い通りにしたのに、私の言うことをきかないのはなぜだ!」
と、自分の思い通りにならないから『怒る』ということになるのです。

冷静に客観的に自分のことが見れていない、感情的な状態です。
感情まかせなので言ってはいけない言葉を言ってしまいます。

それに対して、『叱る』ときは、
冷静に客観的に自分のことを見ることができているので、内容を考えながら話をしている状態です。
なので、あえて声を荒げたり語気を強めて言うこともあるけど、
支離滅裂なことを言わないし、相手をさげすんだ言い方はしません。
『叱る』はお願いする、というイメージです。

ただ、どうしても相手に伝わらないときは、
『叱る』から『怒る』に変わるときもあります。
叱っているときに「相手を否定する言葉」がポンと出てしまったときは、
怒っているんだなと思うといいでしょう。

『怒る』ことにより予測される悪影響

怒られる経験をした子どもは、主に

①自己肯定感・自己効力感を低下させる可能性
②感情的な対処法を学んでしまう

という、2つの悪い影響が懸念されます。

①怒られることで、子どもの自己肯定感・自己効力感を低下させる可能性がある

怒られてばかりいると、子どもはいつも親の顔色をうかがうようになることがあります。そして、良いことと悪いことの判断を自分でできなくなったり、自分自身を否定されたと感じ、自己肯定感・自己効力感が下がりったりすることにつながります。自己肯定感・自己効力感は自信につながるものですが、それが、怒られることで、自信がなくなったり、自分はダメな人間なんだと自己否定に走ったりしてしまうことにつながる可能性があるのです。

親子関係にも溝ができていくでしょう。

不登校の子供は特に家にいるときは精神的な居心地の良さを与えることが大切です。でも、怒られていては精神的に休まることができません。怒ることで、子どもの不登校や不登校傾向を悪化させてしまう恐れがあるのです。

※自己肯定感…自分は大切な存在なんだ、ということを自分自身で認めてあげられること
※自己効力感…自分ならできるぞ!という自分に対する信頼

②感情的な対処法を学んでしまう

怒られた子どもは、親やから感情的な対処法を学んでしまいます。つまり、親から怒られていると、自分が困ったら親のように怒鳴ればいうことをきいてもらえるという発想をしてしまうのです。

こちらの動画はフランス語ですが、『怒る』ことと『叱る』ことの子どもに与える影響をとても分かりやすく表しています。31秒の短い動画ですので、よかったら日本語字幕でご覧くださいね。

子どものためになる上手な叱り方のポイント

1.今の出来事について叱る

・今やっていることがよくないよ。
・今やっている○○をやめてね。

と今やっていることだけに焦点を合わせます。
そうすると、なんのことについて叱られているのか、子どもも理解しやすいです。
叱っている方も、伝えたいことの的がずれず、感情的になることを防ぐ効果もあります。

2.ダメな行動を具体的に注意する

・今、宿題をせずにゲームをしていることがダメなんだよ。
・おもちゃで遊び終わったら出しっぱなしにしないでね。
・ひじをついてご飯を食べるのをやめようね。

というように、要するに何がダメなのかを具体的に叱ってください。
子どもは何のことで叱られているのか分かっていないということがあるからです。
叱っている内容が伝わっているかどうか、子どもの表情をちゃんと見て確認しながら叱りましょう。

3.どのような行動が適切かを肯定的に伝える

2.で終わってしまう方がいらっしゃいますが、子どもはどんな方法が適切かを知らないということがあります。年齢や経験が違うということを視野に入れて考えてみると、わかりやすいでしょう。

ですから、どんなことをするのが適切なのかを、肯定的な言い方で伝えてください。

・宿題を終わらせてからゲームしようね。

・床の上にあるおもちゃを、全部箱の中にしまおうね

・ひじはつかずに、お茶碗を持ってごはんを食べようね。

ダメな叱り方

1.人格を全否定すること

・本当におまえは、何をやらせてもダメなんだから

・おまえはいらない子だ

・あなたが悪い!

などと、相手の人格を全否定するような叱り方は決してしてはいけません。

上記にある、怒られた状態です。 自分自身を否定されたと感じ、自己肯定感・自己効力感が低下することにつながります。それゆえ、自信がなくなったり、自分はダメな人間なんだと自己否定に走ったりしてしまうことにつながる可能性があり、『ひきこもり』になってしまうことも。

2.過去の過ちを持ち出すこと

・何度同じ失敗をくり返すんだ!

・この間も、同じことで怒られたよ!

などと、過去のことも一緒に叱ってしまうと、今起こっている問題からそれてしまって、叱っている内容が伝わりにくくなってしまいます。

3.他のだれかと比べる

・お兄ちゃんはできるのに、どうしてあなたはできないの!

・近所の○○くんはこれやってるじゃない!

などと、他の誰かと比べてしかることは、「自分はダメな子なんだな」「自分はいらない子なんだな」と、

これも自己肯定感・自己効力感が下がってしまいます。

謝ることも大切なこと

大切なことは、何がダメなのか、どうしたら好ましい行動になるのかを、子どもに理解させること。
子どもの表情を見て、伝わっているか、りかいしているかどうかをしっかり確認しながら行いましょう。

もし叱っているうちにヒートアップして怒ってしまった、ということが起こったら、
「ごめんなさい」ときちんと謝ることも必要です。
悪い時はきちんと謝るというということを、子どもに相手に伝えるということにもなります。

今回は、『怒る』と『叱る』の違いについてお話しさせていただきました。

『怒る』ことは悪影響を及ぼすことも頭に入れていただいたうえで、

子どもが幸せに育つために、
どうしても言わなければいけないこと、直さなくてはいけないことは

『叱る』

ということで伝えていく方法が有効です。

あなたがより子育てを楽しめるように応援しています。

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