
こんにちは、
不登校カウンセリングセンターの真鍋良得です。
お子さんが学校に行けない日々が続くと、親として不安や焦りを感じるのは当然のことです。
どうにかして状況を打開したいと、様々な声かけや対策を試されていることと思います。
しかし、その「良かれと思って」していることの中に、かえってわが子を苦しめている原因が潜んでいるかもしれないのです。
許せない気持ちの裏にある「我慢」のメッセージ
「朝、起きられないこと」「勉強しないこと」「他の子は行けているのに、うちの子だけ学校に行けないこと」――。
多くのお母さん、お父さんがお子さんに対して、これらのことを「許せない」と感じています。
そして、そこには、ある共通点があります。それは、「我慢」というキーワードです。
親御さんがお子さんに向けた「許せない」という気持ちの根底には、「あなたは周りに合わせて、嫌なことでも我慢して努力すべきだ」という、無意識のメッセージが隠れているかもしれません。
「人に迷惑をかけるな」「世間一般の標準に合わせなさい」という親の価値観は、子どものためを思ってのものであり、決して悪意からくるものではありません。
しかし、ありのままの自分を否定され、「世間に合わせる努力」を強いられ続けた結果、心がパンクしてしまい、心身が疲れ果ててしまったのが、不登校という形で現れているのかもしれないのです。
「条件付きの愛」から「無条件の愛」へ
私たちは知らず知らずのうちに、子どもに「条件付きの愛」を注いでしまうことがあります。
「学校に行ったらお小遣いをあげる」「宿題が終わったらゲームをしていいよ」といった声かけは、一見すると励ましのようですが、「言うことを聞けば愛するよ」「頑張ったら認めてあげるよ」というメッセージになりかねません。
そうやって、行動できるように導くことが悪いわけではありませんが、場合によっては、逆効果になりかねないのです。
本当に必要なのは、お子さんの行動や結果にかかわらず、その存在そのものを肯定する「無条件の愛」です。
「ありのままのあなたが大好きだよ」
このシンプルなメッセージを、言葉だけでなく、態度や接し方で伝えていくことが、お子さんの自己肯定感を回復させる第一歩となります。
子どもの力を信じる「信頼」のメッセージ
不登校の解決において、親御さんの役割は、お子さんに「私はあなたのことを信じているよ」というメッセージを伝えることです。
不安だからと先回りして行動したり、代わりに問題を解決しようとしたりすることは、「あなたは一人では何もできない」という不信のメッセージにつながることがあります。
寝坊してしまった時、親が慌てて準備を手伝い、学校まで車で送る。これは一見、愛情深い行動ですが、裏を返せば「遅刻は許せない」という親の不安や価値観を優先していることにもなりかねません。
焦らず、お子さんが自分で起きる時間や、次にどうするかを自分で決めることを待ってみましょう。
「〇時だけど起きれそう?どうする?」と穏やかに声をかけ、自分で考え、行動する余白を与えてみてください。
「遅刻しても、人に迷惑をかけても、大丈夫。あなたは自分で考えて、行動を変えていける力を持っている」――。
この子どもへの信頼こそが、お子さんの「自分で幸せになる道を探し、切り開いていく力(自立)」を育みます。
親御さんの「頑固にしみついた価値観」を、新しい「無条件の愛と信頼」の価値観へと少しずつ変えていく。
これは、今までとは真逆のやり方かもしれません。
戸惑いや混乱を感じるのは当然のことです。
しかし、今こそ「良かれと思って」きたやり方を見直し、お子さんの感情をそのまま受け入れ、「あなたはあなたのままでいいんだよ」と心から伝えみてはいかがでしょうか。
安心感という土台が整うことで、お子さんはきっと前向きな一歩を踏み出せるようになるでしょう。
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