非定型不登校とは
「子どもに何度聞いても、本当の理由がわからない……」
「先生に相談して学校の環境を整えてもらっても、また別の理由で行けなくなってしまう……」
そんなご相談を、ここ数年とくに多くいただくようになりました。
非定型不登校は、コロナ禍以降に表面化してきた、比較的新しいタイプの不登校です。
これまでの常識的な対応では改善が見込めない、少し複雑な不登校で、医療的な見立てを含む支援が欠かせません。
ただ、難しいタイプの不登校だからといって、希望がないわけではありません。
適切な体制のもとで支援を受けていただければ、必ず光は見えてきます。これからお伝えしていく特徴を、まずは知っていただきたいと思います。
非定型不登校の3つの特徴
原因はお子さん自身の「内側」にあります
非定型不登校で最も大切なのは、不登校の原因が、まわりの人や環境ではなく、お子さん自身の内側にあるという点です。
ここが、定型不登校との大きな違いです。
定型不登校では、原因は学校での人間関係やご家庭の環境など、お子さんの「外側」にありました。ですから、その環境を整えれば改善に向かっていきます。
ところが非定型不登校では、たとえまわりの環境を整えても、お子さんは学校に戻れません。
なぜなら、根本の原因がお子さん自身の中にあるからです。
具体的には、たとえば次のような状態が背景に隠れています。
- ストレス耐性の低下
- 考え方の偏り
- 自己肯定感の低下…など
こうしたお子さん自身の「内側の状態」を、ていねいに整えていく必要があります。
環境調整だけでは決して解決しないものです。お子さん本人が自分の内側と向き合う作業を、不登校専門心理士がそばで支えていく——そうしたアプローチが必要になります。
「お子さん自身の問題」と聞くと、責められているように感じる親御さんもいらっしゃるかもしれません。でも、これはお子さんが悪いわけでも、親御さんの育て方が悪かったわけでもありません。コロナ禍を経て、子どもたちを取り巻く社会全体が大きく変わったことの影響を、感受性の高いお子さんほど受けているのです。
原因がはっきりしないことが多い
非定型不登校のもうひとつの特徴は、不登校の原因がはっきりしないことです。
「うちの子は『あの先生がイヤだから』『友達と気が合わないから』と言うのですが……」
そう話す親御さんは少なくありません。
ここで、医師として大切なことをお伝えします。
非定型不登校のお子さんに不登校の理由を尋ねると、確かに学校や友達、家庭の問題を口にすることがあります。けれども、それは多くの場合、本当の原因ではなく「言い訳」であることが多いのです。
これは、お子さんが嘘をついているということではありません。
お子さん自身も、本当の原因を自分でつかめていない——そういう状態なのです。ですから、口にしやすい外側の理由を、本人なりに「これかもしれない」と差し出している、ということです。
ですから、お子さんが口にした理由を解決しても、しばらくするとまた別の理由が出てきて、学校に戻れない状態が続きます。
たとえば「あの先生が嫌だ」と言うので担任を替えてもらっても、今度は「クラスメイトが合わない」と言い出す。クラス替えをしてもらっても、今度は「授業がつまらない」と言う——というふうに、原因が次々と移っていくのです。
これは親御さんにとって、本当につらい状況です。子どものために環境を整えても整えても、結局は学校に戻れない。「自分は何をやっているのだろう」と、ご自分を責めてしまう親御さんを、私たちは何人も見てきました。
もし環境を変えても変えても改善が見られないようでしたら、そのお子さんは非定型不登校である可能性が高い——そう考えていただきたいのです。
医師が所属する支援機関でなければ、改善が難しい不登校です
医師として、親のあなたにぜひお伝えしておきたい大切なことがあります。
非定型不登校は、コロナ禍以降に表面化してきた比較的新しいタイプの不登校です。
そして、その状態は「非定型うつ病」と呼ばれる病態とよく似ています。
非定型うつ病は、従来のうつ病とは少し異なる現れ方をする病気で、次のような特徴があります。
- 楽しいことがあると気分が一時的によくなる
- 朝起きられないなどの傾向が出やすい
- 強い疲労感やだるさが続く
- 他者からの言葉や評価に過敏になる
こうした状態が、非定型不登校のお子さんにも重なって見られることがわかっています。
つまり非定型不登校は、心理的なサポートだけでは改善が難しい、医療的な見立てと支援が欠かせないタイプの不登校なのです。
ここが、定型不登校との決定的な違いです。
定型不登校は不登校専門心理士のみで対応できますが、非定型不登校の場合は、医師が所属する支援機関でなければ、根本的な改善は難しいと申し上げざるを得ません。
医学的な見立てがなければ、お子さんの状態を正しく把握することができません。
医師の知識と心理学の知識を、お子さんの状態に応じて組み合わせていく——その体制があってはじめて、非定型不登校は改善に向かいます。
非定型不登校は「正しいチームに出会えれば解決できる」不登校です
ここまでお読みいただいた親のあなたに、医師として、ぜひ覚えておいていただきたいことがあります。
- 原因がお子さんの内側にあることを理解できれば、向き合うべき本当の課題が見えてきます。
- 表面的な理由に振り回されず、根本に目を向けることができるようになります。
- 医学的な見立てがあれば、お子さんの状態を正しく捉えることができます。
- 医師・看護師・理学療法士・不登校専門心理士のチームの連携によって、お子さんの内側を整えていけます。
「うちの子はもう学校に戻れないかもしれない」
「これだけ環境を変えても変わらないなんて……」
そんなふうに思い詰めていらっしゃる親御さんこそ、まずはひと息ついて、ご相談ください。
非定型不登校は難しい不登校ですが、適切な体制のもとで支援を受けていただければ、必ず道はあります。
まずはお気軽にご相談ください
お子さんが学校に行けなくなって、何をしても改善しない——そんなとき、親御さんは本当に追い詰められた気持ちになります。
それは決して、親が至らないからではありません。非定型不登校は、親の努力だけでは解決できないタイプだからです。
当センターには、医師・看護師・理学療法士、そして30年の臨床経験を持つ不登校専門心理士が在籍しております。お子さんとご家族の状況をていねいにお伺いし、医学と心理学の両面から、解決までの道筋をご一緒に考えていきます。
「うちの子は定型不登校なのか、非定型不登校なのかわからない」
「すでに他の機関に相談しているが、改善しない」
そうした段階でも、まったくかまいません。
当センターのLINE公式アカウントから、お気軽にご相談ください。
お子さんが安心して学校に戻れる日を、ご一緒に目指してまいりましょう。
不登校カウンセリングセンター
理事長 中山和子(医師)
