発達障害型不登校とは

FUTOKO

発達障害型不登校とは

「学校の勉強についていけなくなった」

「クラスの友達とどうしてもうまくいかない」

「些細なことで気持ちが爆発してしまう」

そして気がつくと、学校に行けなくなっている——。

そんなご相談を、当センターでは数多くいただきます。

不登校カウンセリングセンター 理事長で、医師の中山和子と申します。

このページでは、医師として、また20年にわたり多くの不登校のお子さんを見守ってきた不登校カウンセリングセンター 理事長の立場から、「発達障害型不登校」と呼ばれるタイプの不登校について、わかりやすくお話ししたいと思います。

発達障害型不登校は、お子さんの中に発達障害という「一次障害」があり、その特性が学校生活と合わないことで、結果として「二次障害」として不登校が現れるというタイプの不登校です。

つまり不登校そのものは、原因ではなく結果です。

お子さんの本来の困難は、もっと前の段階にあるのです。だからこそ、不登校という見えている問題だけを扱っても解決には至りません。一次障害である発達障害特性への理解と支援、そして発達障害そのものから派生する不安や自己肯定感の低下といった二次障害の側面、その両方をていねいに整えていく必要があります。

ただ、難しいタイプではあるものの、適切な体制のもとで支援を受けていただければ、しっかりと改善に向かうタイプの不登校です。希望を持って、これからお伝えしていく特徴をお読みください。

MEDICAL EVIDENCE

なぜ発達障害があると不登校になりやすいのか

医師として、まず親御さんにお伝えしておきたい大切なことがあります。

それは、発達障害があるから不登校になる、という単純な話ではないということです。

発達障害そのものが直接、学校に行けなくする原因になるわけではありません。

発達障害の特性が学校という環境と合わず、お子さんが日々小さなつまずきや疲労を積み重ねていく——その結果として不登校という形で表に出てくるのです。

これを発達障害支援の現場では「一次障害(発達障害)が二次障害(不登校など)を引き起こす」と表現します。児童精神医学や特別支援教育の領域で広く用いられている捉え方で、発達障害医療・教育の臨床現場でも標準的に使われている概念です。

ここでは、発達障害の主な3つのタイプごとに、なぜ学校生活でつまずきやすいのかを、医学的にご説明します。

EVIDENCE 01

自閉スペクトラム症(ASD)——人との関わりと感覚の困難

自閉スペクトラム症(ASD)は、対人コミュニケーションや社会的なやりとり、こだわりの強さなどに特性が出る発達障害です。

学校生活では、次のような困難が生じやすくなります。

  • 友達との何気ないやりとりで、相手の意図を読み取りにくい
  • 「空気を読む」「冗談を冗談として受け取る」が難しい
  • 急な予定変更やルールの変更に強いストレスを感じる
  • 音・光・匂い・触感などの感覚過敏で、教室がつらい
  • 給食・体操服・上履きなど、特定の感覚刺激が耐えがたい

特に感覚過敏は医学的にもよく知られており、騒がしい教室や大勢の声、給食の匂い、蛍光灯の光などが、本人にとっては強い苦痛となります。

「みんな平気なのに、なぜうちの子だけ……」と思われがちですが、これは性格の問題ではなく、脳の感覚処理特性によるものです。

EVIDENCE 02

注意欠如・多動症(ADHD)——集中・落ち着き・衝動性の困難

注意欠如・多動症(ADHD)は、不注意・多動性・衝動性を特徴とする発達障害です。

学校生活では、次のような困難が生じやすくなります。

  • 授業中、集中が続かず話が頭に入ってこない
  • 忘れ物が多く、何度言われても繰り返してしまう
  • 順番を待つ・じっと座っているのがつらい
  • 思ったことをすぐ口に出してしまい、トラブルになる
  • 段取りを立てて宿題や課題を進めることが苦手

ADHDのお子さんはまた、医学的に「ワーキングメモリ(短期的に情報を覚えて処理する力)」が弱いことが多いとされています。

そのため、先生の話を聞きながらノートを取る、複数の指示を同時にこなすといった、学校で当たり前に求められる作業が、脳のレベルで難しい状態にあります。

「やる気がない」「努力が足りない」と誤解されがちですが、本人は誰よりも頑張っています。脳機能の特性ゆえに、頑張りが結果に結びつきにくいのです。

EVIDENCE 03

限局性学習症(SLD)——特定分野の学習の困難

限局性学習症(SLD、いわゆる学習障害)は、知的な遅れがないにもかかわらず、読み・書き・計算など、特定の領域だけが極端に苦手になる発達障害です。

学校生活では、次のような困難が生じやすくなります。

  • 教科書がスムーズに読めない(読字の困難)
  • 字を書くのが極端に苦手(書字の困難)
  • 計算や文章題でつまずく(算数の困難)
  • 他の教科は普通にできるのに、特定教科だけ落ちこぼれてしまう

SLDのお子さんは、知的能力に問題はありません。

ですから「やればできるはずなのに、なぜできないの」と周囲から責められやすく、本人も自分を責めてしまいます。これが自己肯定感の大きな低下につながります。

MECHANISM

発達障害が「二次障害」を引き起こす医学的なメカニズム

ここまで見てきたような困難を、お子さんは毎日、小さく積み重ねていきます

朝の会、授業、休み時間、給食、掃除、放課後——一日の中に、定型発達のお子さんなら気にならないことが、発達障害のお子さんにとっては「乗り越えなければならない壁」として何度も立ち現れます。

これが続くと、医学的に次のような連鎖が起こります。

01慢性的なストレスと疲労の蓄積

学校にいるだけでエネルギーを大量に消費し、家に帰った時点でぐったりしている状態。睡眠の質も落ちます。

02失敗体験の積み重ねによる自己肯定感の低下

「自分はダメな子だ」「みんなと違う」「迷惑をかけている」という思いが、繰り返し本人の中に刷り込まれていきます。

03不安・抑うつといった「内在化障害」

医学的には「内在化障害」と呼ばれ、不安症、抑うつ、対人恐怖、強迫症状などが現れます。

04行動の問題として現れる「外在化障害」

反抗的な態度、衝動的な行動、感情の爆発などが現れることもあります。

05結果としての不登校

心身ともに「もう学校に行けない」という限界に達し、不登校という形で表に出てくる。

これが、発達障害から不登校に至る医学的な経路です。

不登校は、お子さんが心と体を守るために起こした、最後のサインでもあるのです。

THREE FEATURES

発達障害型不登校の3つの特徴

FEATURE 01

不登校はあくまで「結果」であり、本当の課題は別にあります

発達障害型不登校で最も大切な視点は、不登校は問題そのものではなく、発達障害という一次障害が引き起こした結果(二次障害)であるということです。

ですから、「学校に行けるようにする」という目先のゴールだけを追いかけても、根本的な解決にはなりません。

お子さんの発達特性を正しく理解し、学校という環境とのミスマッチを丁寧に整えていく——そこに本当の支援の出発点があります。

「無理にでも学校に行かせる」「気合を入れさせる」という対応は、発達障害型不登校では逆効果になります。

むしろ症状を悪化させ、二次障害をさらに深めてしまう可能性が高いのです。

FEATURE 02

本人の特性に合わせた支援で、平均3ヶ月程度で改善できます

発達障害型不登校と聞くと、「一生の問題」「ずっと続くのでは」と心配される親御さんもいらっしゃいます。

ですが、ここで希望を持っていただきたいことがあります。

当センターの臨床経験からお伝えすると、発達障害型不登校は平均して3ヶ月あれば改善に向かうことが多い不登校です。

もちろん、これは適切な体制のもとで適切な支援を受けていただいた場合の数字です。

発達障害そのものは「治す」ものではなく「特性として理解し、付き合っていく」ものですが、二次障害である不登校の部分は、適切なアプローチで十分改善が見込めます。

具体的には、

  • お子さんの特性を正確に評価する
  • 学校との連携で環境を調整する
  • 自己肯定感を回復させる
  • 不安や抑うつに対する心理的な支援を行う
  • 必要に応じて医学的な支援を組み合わせる

——こうした多面的な関わりを段階的に進めていくことで、お子さんは自分なりのペースで学校生活に戻っていけます。

FEATURE 03

医師・看護師・理学療法士、そして不登校専門心理士、すべての連携が必要です

医師として、親御さんにぜひお伝えしておきたい、最も大切なことがあります。

発達障害型不登校は、これまでお伝えしてきた他のどのタイプの不登校よりも、多職種の連携が欠かせない不登校です。

なぜなら、

  • 発達障害の医学的な評価には、医学の知識が欠かせません
  • 二次障害として現れる身体症状や不安・抑うつへの対応には、医師・看護師の知識が必要です
  • お子さんの体の使い方や日常生活動作への支援には、理学療法士の関わりが助けになります
  • 自己肯定感の回復、認知の偏りへの対応、親御さんへの助言などには、不登校専門心理士の関わりが不可欠です

これらを別々の機関に通って受けようとすると、情報がバラバラになり、お子さんも疲れ果ててしまいます。

同じ支援機関の中に、これらの専門職が揃っていてこそ、はじめて発達障害型不登校に対応できるのです。

ここが、定型不登校との決定的な違いです。

定型不登校は不登校専門心理士のみで対応できますが、発達障害型不登校は、医師・看護師・理学療法士・不登校専門心理士のすべてが所属している支援機関でなければ、対応することができません

「他のカウンセリング機関に通っているけれど、なかなか改善しない」

「発達障害の診断は受けたものの、不登校はそのまま」

そういうお声を、私たちは何度もお聞きしてきました。それは、発達障害型不登校が多職種チームによる総合的な支援を必要とする不登校だからなのです。

当センターでは、医師・看護師・理学療法士・不登校専門心理士がすべて所属し、チームを組んでお子さんを支える体制を整えております。だからこそ、発達障害型不登校にも対応することができるのです。

MESSAGE

発達障害型不登校は「正しいチームと出会えれば、必ず改善できる」不登校です

ここまでお読みいただいた親御さんに、医師として、ぜひ覚えておいていただきたいことがあります。

発達障害型不登校は、お子さんの特性を正しく理解し、多職種チームで支えれば、必ず改善できる不登校です。
  • 不登校は問題ではなく、発達障害という一次障害から派生した「二次障害」です。
  • 本当に向き合うべきは、お子さんの発達特性と、それと環境とのミスマッチです。
  • 当センターの臨床経験では、平均3ヶ月程度で改善に向かうことが多いタイプです。
  • 医師・看護師・理学療法士・不登校専門心理士のチームが揃ってはじめて、適切な支援が可能になります。

「うちの子の発達特性を、きちんと理解してもらえる場所がない」

「学校とどう付き合っていけばいいかわからない」

「子どもの自己肯定感がどんどん低くなっていくのが心配」

そんなふうに思い詰めていらっしゃる親御さんこそ、まずはひと息ついて、ご相談ください。

発達障害型不登校は難しいタイプですが、適切な体制のもとで支援を受けていただければ、必ず光は見えてきます。

まずはお気軽にご相談ください

お子さんに発達特性があり、それが学校生活と合わずに不登校になっている——そんなとき、親のあなたは「どこに相談すればいいのか」「誰がうちの子のことを理解してくれるのか」と途方に暮れてしまいます。

それは決して、親が至らないからではありません。発達障害型不登校は、専門の多職種チームでしか対応できないタイプだからです。

当センターには、医師・看護師・理学療法士、そして30年の臨床経験を持つ不登校専門心理士が在籍しております。お子さんとご家族の状況をていねいにお伺いし、医学と心理学の両面から、お子さんの特性に合わせた支援の道筋をご一緒に考えていきます。

「発達障害の診断はついているが、不登校が続いている」
「診断はないが、特性があるかもしれないと感じている」
「すでに他の機関に相談しているが、変化がない」
そうした段階でも、まったくかまいません。

当センターのLINE公式アカウントから、お気軽にご相談ください。
お子さんが自分のペースで学校生活に戻れる日を、ご一緒に目指してまいりましょう。

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不登校カウンセリングセンター

理事長 中山和子(医師)

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